こうして来て見ていただいていることに惜しみない感謝を。適当な感想を書くメモ帳です。過度な期待はせず、道端の石を見るような意識で読んで頂ければ幸いです。

【購入レビュー】Astell&Kern A&ultima SP3000 〜AK10周年の集大成〜

かやの
かやの

疑いようもなく大好きです!

集大成に相応しいDAPに仕上がっています。

今までとは一線を画すDAPだっただけに、このDAPで聴けない時間のほうが勿体無いと感じたので、予約開始発表日に予約しに行ってました。(╹◡╹)

発売日から数日聴き込んでみましたので、少しレビューさせていただければと思います。

AKフラッグシップ歴でいうと、AK380→SP1000→SP2000で今回のSP3000と一通り購入してきました。

Astell&KernのフラッグシップDAPを長い間愛用させてもらってますが、個人的にはAK380が一番思い入れ強いので、あのサイズ、重さでフラッグシップを出してほしいなって思ってます。

《AK380購入は下の画像をクリック》

茶菓子でも食べながら読んでいただけると幸いです。

開封

Aロゴもいつもより凝ってます。

かやの
かやの

届いた瞬間はデカっという感想。

これは横幅になりますが、今までのAstell&Kernのフラッグシップの中でもダントツの分厚さです。

開けてみると、大きな箱が二つ。向かって左側が本体、右側が本革ケースになります。今回はケースも良いものを使っている関係で別箱なんでしょうか?

以前の木箱ではなくなった点が少し残念ですね。

開け方は少し特殊で、両サイドを開けると、本体が飛び出してくる仕様になってます。

↑取り出して見た感じ。若干取り出しづらかったです。

付属品は結構豊富です。ここでスペックなどもまとめておきます〜。

モデル名 A&ultima SP3000
カラー Black / Silver
本体素材 Stainless Steel 904L
ディスプレイ 5.46インチフルHD(1080×1920)タッチスクリーン
対応ファイル形式 WAV, FLAC, WMA, MP3, OGG, APE, AAC, ALAC, AIFF, DFF, DSF, MQA
対応サンプリングレート PCM最大 : 768KHz(16/24/32bit)
DSD最大 : DSD512(22.4MHz/1bit) ステレオ
アウトプットレベル アンバランス 3.3Vrms / バランス 6.3Vrms (無負荷),
CPU Octa-core
DAC AK4191EQ×2 + AK4499EX×4 (Dual-DAC×2)
入力 USB Type-C (充電&データ転送)
出力 3.5mm3極アンバランス出力 (光デジタル出力兼用),
2.5mm4極バランス出力 / 4.4mm5極バランス出力 (GND接続あり)
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz)
Bluetooth V5.0 (A2DP, AVRCP / Qualcomm® aptX™ HD, LDAC)
サイズ (W×H×D) 82.4mm × 139.4mm × 18.3mm
重量 約493g
ファームウェアアップデート OTA
動作温度 0℃ ~ +40℃
周波数特性 ±0.017dB (20Hz~20kHz) アンバランス
±0.022dB (20Hz~20kHz) バランス
±0.021dB (20Hz~70kHz) アンバランス
±0.031dB (20Hz~70kHz) バランス
S/N比 126dB @ 1kHz, アンバランス / 130dB @ 1kHz, バランス
クロストーク -136dB @ 1kHz, アンバランス / -145dB @ 1kHz, バランス
THD+N 0.0006% @ 1kHz, アンバランス / 0.0004% @ 1kHz, バランス
IMD 0.0007% 800Hz 10kHz (4:1) アンバランス / 0.0007% 800Hz 10kHz (4:1) バランス
出力インピーダンス アンバランス 3.5mm (0.7Ω) / バランス 2.5mm (1.7Ω), 4.4mm (1.6Ω)
クロックジッター 25ps (Typ)
リファレンスクロックジッター 200 Femto Seconds
バッテリー 5,050mAh 3.8V リチウムポリマー
充電時間 約3.5時間 (QC 3.0充電時)
再生時間 約10時間 (FLAC, 44.1KHz/16bit, Vol.80, LCD Off)
内蔵メモリ 256GB [NAND] ※システム領域を含む
外部メモリ対応 microSDスロット×1 (最大1TB)
対応OS  Windows 10 (32/64bit) 11 (64bit) / MAC OS X 10.7
付属品 SP3000専用ゴートスキンレザーケース(Green)
USB Type-Cケーブル, 画面保護シート, microSDカードスロットカバー
生産国 韓国
メーカー保証 本体1年 / 付属品90日

信者用の布も付いてます。これでお手入れしてねってことでしょうか?

一通り設定を終えた様子。片隅にはSP2000が。

《SP2000購入は下の画像をクリック》

外観

ハウジング素材にはロレックスなどにも使われている優れた耐久性と耐食性に優れたStainless Steel 904L を使用しています。ただ、指紋はblackだと目立ちます。(写真では拭き取っています。)

●イオン・プレーティング・ハードニング (IPH)
このコーティングは高級時計によく使用され、美観に影響を与える避けられない傷や摩耗痕から長期的に保護します。また、優れた耐腐食性も備えています。
●アンチ・ファウリング・コーティング (AF Coating)
薄膜をコーティングすることで、表面を汚染から保護します。また、ドライワイパーで簡単に汚れを拭き取ることができる為、製品の歩留まりを向上させることができるという製造上の特長もあります。

背面には風車のようなデザインが施されています。

本体はblackですが、恐ろしく光を反射します。

光沢のある艶やかさは、まるで漆のようにも見えます。

ボリュームノブはまさに宝石のよう😊

かやの
かやの

「音が聴けるロレックス」

ALRAN(アルラン)社製のエルメスなどを含めた一流ラグジュアリーブランドにも供給している高級フランス製ゴートスキンレザーの本革ケースが付属しています。肌触りは非常によく、手に馴染みます。

ケースや形状もあってか重さもそこまで感じないです。500mlのペットボトルくらいの重さだと思えば、あまり気になりません。

音質

本題になりますが、過度な装飾は少なく、ソースの情報(楽器の音色など)を忠実に復元できるDAPだと感じました。

圧倒的で余裕のあるサウンドで、音の厚みも過去モデルに比べ増してます。アーティストが作る世界に放り込まれ没頭するサウンド体験に近いです。

5050mAhのAKにしては大きいバッテリーを積んでいるおかげもあってか、低域の表現は凄まじいです。

違いはありますが、SP2000 CPやSP2000T CNのような筐体素材による響きのある低音というよりは、奥行のあるとても深い低音だと思います。下側の空間も広く、めちゃくちゃ見通しがいいです。全ての音が潰れず、混じり合わず、耳に届くので、それぞれの楽器にフォーカスを合わせることが容易です。

また、中高域についても細さを感じさせない厚みがあり、非常に滑らかです。

どっしりとした土台の上に綺麗に中域、高域と積み上がっており、まとまりのある音になります。

バランス接続でいうと、SP2000比で125dbから130dbと5db差があり、SN比の向上はこのDAPを語るにあたって重要です。

雑音が少なければ、少ないほどより微細な音も拾ってくれるので、より音の傾向は繊細になっていきます。

まるで、無響室で鳴らしているような、「光も通さない暗闇から音が降り注ぐ」ような感覚に近いと感じました。(無音が聴こえるような感覚)ですね。

音場は広いのですが、音楽としての一体感を損ねず、力強く繊細な音に仕上がっており、このメーカーだからこそ辿り着けた境地だと思います。

総じて音のバランスは非常に良く、どのイヤホン、ヘッドホンで聞いても合わせやすいと感じます。

クロスフィード機能

簡単にいうと、イヤホン(ヘッドホン)で聴いているのに、スピーカーで聴いている感覚になる機能です。

shelf gainを増やしていけば、shelf cutoffをどのくらいのゲインにするのか(音の広がり強くなり)、shelf cutoffを増やしていけば、音が中央に寄っていきます(広がりが少なる)。

ボーカル聴きたいな時は、cutoffを最大、gainを最低にするといいです。(高域削ってるのかな。少しこもった感じ。)

特定の周波数とその周辺のゲインを調節しているのかと思います。

印象としては左右にばらけていた音が中心部に集まるような感覚で、スピーカーのようなという表現までは行かないかなと思います。ただ、設定によっては聞き疲れは少なくなると感じます。

音楽の楽しみ方の選択肢として面白いなと思いますし、個人的にこの機能は結構好きだったりします。

デジタルオーディオリマスター(DAR)機能

アップサンプリング機能になります。

5.6MHzに変換して聴いてみましたが、44.1kHz/16bitの曲だとかなり違いが出てきますね。音が滑らかになり、やや柔らかい表現になります。

音の距離が少し遠くなり、やや平面的に聴こえるなと感じました。荒々しさがなくなった感じでしょうか。個人的にはバッテリーの消費が上がるDAR機能を使わなくても十分に音が良いので、オフにしています。

DACフィルター

ニュアンスの違いなので、そこまで大きな音の変化はありません。少し表現が難しいので、所有者の人は自分なりに好みを見つけていただけたらと思います。

好みとしてはSP2000時代からShort Delay Slow Roll-offです!

あと、Low Dispersion Short Delayは特徴的だなと感じました。

micro SDからの音楽再生

ヘッドホン祭のアユートブースで聴いた時は音切れがあり、音楽は聞けたものではなかったです。

ここらへんは改善しているようで、256GB満杯にいれたmicro SDカードでも音切れなどは起こさず、再生出来ているようです。

個人的には内部ストレージの方に音楽を入れるのを勧めます。信頼性低いので試聴くらいにしかmicro SDは使わないですね。

*micro SDをマウントした後、空のアルバムが残ってしまう現象を確認しました。(やらなきゃよかった。)

もう一回、micro SDを入れ直して、システム情報→安全な取り外しを選択することで解決しました。

バッテリー関連

自然放電など確認しましたが、ほとんどなく使用に支障はないと言えます。

充電時間についてもストレスを感じることはありませんでした。<約3.5時間 (QC 3.0充電時)

再生時間が高級機にしては10時間と比較的長いところもポイントです。SP2000Tも所有しておりますが、9時間と10時間の差はたかが1時間といっても大きいように感じました。

音量調節がカッコいい✨

クリムゾンレッドっぽくて好みです。

ここもデザインの方向性として変わったところです。第六世代からは紅のボリュームゲージになるんでしょうか?

アップデート関連

起動速度 V1.03→V1.08 比較

大体30秒程度短縮してます。残してる人いなかったので記録までに。

まとめ

過去最高のUIと断言していいと思います。

特にミニプレーヤーがめちゃくちゃ便利ですし、常に表示されている下部メニューのサブスクボタン、ホームボタン、戻るボタンが完璧です。

CDジャケット風の選択画面もめちゃくちゃ熱いです!

音質に関しては宇宙を感じさせる驚異的な(脅威的な)SN比、据え置きのような余裕のある響きが一緒になった音が素晴らしいです。

どの帯域にフォーカスしても潰れたりせず、圧倒的な解像度で描写してくれます。

細部まで丁寧に作られた筐体のデザイン、付属品(レザーケース)にいたるまで手を抜いていません。

もはや単なる音楽を再生するDAPの域を超えた嗜好品かと思います。

そういった細部のこだわりが満足感につながっていると感じます。

フラッグシップとして過去最高額になり、おいそれと手が出せるものではないかと思いますが、音楽を聴くことを愛してる人ほど手に入れる価値はあると思いますし、10周年に相応しい

Astell&Kernの集大成に間違いない仕上がりのデジタルオーディオプレーヤーです!!!

《AK-HC2購入は下の画像をクリック》

中の人と会う↓