IE800に代るダイナミック型のイヤホンが最近欲しいなぁと思っていて、A8000やらDita dream XLRなど、高級機の中で何がいんだろうと悩んでいました。
使用用途としては寝ながら使えるイヤホンであること。
耳の奥深くに突っ込む仕様ではないこと(耳の奥はデリケートなため)。
音は高域寄りではなく、ダイナミック型らしく低域を主体としていて、高域も妥協していないこと。
リケーブル可能であること。
などなど、色んな条件を元に絞り込んでいった結果、beyer dynamicとAstell&KernがコラボしたAKT9iEに行き着いた訳です。

スペック
*公式などから引用したものになります。
さらに洗練されたTESLAテクノロジー
AK T8iE MkII のアップデートモデル登場
AK T9iE は、beyerdynamic と Astell&Kern のコラボモデル AK T8iE MkII のアップデートモデルとして誕生した、密閉型インイヤーイヤホンです。
新たに搭載した新開発アコースティックベントポートが、レスポンスに優れた低域再生を可能にし、二層構造のアコースティックフィルターが、導管に汗や異物が入り込むことを抑制するとともに、高域特性の最適化によるスムーズな高域再生を実現します。
7N OCC 銅線に 4N 純銀をコーティングした、ハイブリッド構造のケーブルは、電機抵抗率を低く抑え、純度の高い伝送を実現。 beyerdynamic 独自の TESLAテクノロジー のポテンシャルを全て引き出します。
→AK T8iEの時は故障が問題になってたので、そこをさらに改善しているように見えます。
強力な磁束密度を実現する TESLA (テスラ) テクノロジー
beyerdynamic 独自の「TESLAテクノロジー」をイヤホン用に小型化。リングマグネット内に生じる高い磁束密度が、ドライバーユニットに高効率と高い再現力をもたらし、正確でニュートラルなサウンドを実現します。
さらに、イヤホン用に最適化を果たしたボイスコイルが、大音量時での的確な駆動とさらなる低歪化を可能にします。
→こちらは前回のAK T8iEとあまり違いはないようです。
新開発 アコースティック ベントポート
新たにハウジングに設けられた新開発の「アコースティック ベントポート」により、レスポンスに優れた低域再生を可能にします。

→小さい穴が見えます。これがエアフローを改善しているのでしょう。
特別設計 二層構造 アコースティック フィルター
特別に設計したアコースティック フィルターを搭載。
導管に汗や異物が入り込む事を抑制するとともに、特に高域特性の最適化によりスムーズを高域再生を実現します。

→故障や音質改善にも役立っているようです。
7N OCC 銅線に 4N 純銀をコーティングした ハイブリッドケーブル
イヤホンケーブルは、高純度無酸素銅の 7N OCC 銅線に、4N 純銀をコーティングしたハイブリッド構造を採用。TESLAテクノロジーのポテンシャルを一切損ねることのない、高純度伝送によるハイドレンジ再生を実現します。
コネクターは脱着式のMMCXを採用。
プラグは Astell&Kern プレーヤーのバランス出力に対応する 2.5mm 4極 ストレートプラグを搭載。さらに、2.5mm 4極から3.5mm 3極L字プラグに変換するショートケーブルも付属しています。

ハイブリッドケーブルで編み方が面白いですね。ただ、この編み方は緩んでいる箇所などバラ付きがあります。それが音質に影響すると考えると、もっと緩まないような編み方の方がいいのかもしれません。
快適かつ確実なフィッティングを実現する 独自形状イヤーピース 7サイズ付属
AK T9iE は、イヤーシェイプ(耳甲介)型のハウジングデザインにより、耳の中に違和感なく収まります。
さらに、世界中の人々の外耳道を計測し、スムーズにフィットするようにデザインした独自形状のシリコンイヤーピースが7サイズ (XS/ S/ M/ L/ XL/ XXL/ 3XL) 付属します。フォームタイプのイヤピースも3サイズ (S/ M/ L) 付属し、確実なフィッティングを実現します。

かなり豊富なイヤーピースが選べます。ここで問題なのが、混ぜてしまうと、どれがLなのかMなのか大きさが微妙過ぎてわからなくなることです。個体差もありますので、判断には苦労すると思います。
デザインコンセプト
AK T9iE は、 beyerdynamic のテクノロジーと、Astell&Kern のデザインアイデンティティーの両方で最適化した、インイヤーイヤホンです。
そのデザインは、「表面のコントラスト」を強調し、ハウジングに宝石のような彫刻を施し Astell&Kern の繊細さとディテールを表しています。
PVDコーティングが光の様々な反射を明確にするため、視点に応じて様々な表情を見ることができます。
また、人間工学に基づいたデザインにより、長時間の音楽鑑賞でも快適に着用できます。

AKらしい光のあたり方で陰影ができるいいデザインです。IE800とも並べてみましたが、ドイツのフラッグシップ機ですが、どちらも個体が小さいですね。
製品仕様
ユニット:11mm径 ダイナミック型ドライバー
形式:密閉型
周波数特性:8 – 48,000 Hz
インピーダンス:16Ω
許容入力:10mW
THD:0.2% 未満
ケーブル:脱着式 4N 純銀コーティング 7N OCC ハイブリッドケーブル 120cm
プラグ: 2.5mm 4極バランスストレート コネクタ:MMCX
付属品:2.5mm 4極 – 3.5mm 3極 L字プラグ ショートケーブル、 シリコンイヤーピース 7サイズ 各1ペア(XS/ S/ M/ L/ XL/ XXL/ 3XL)、フォームタイプイヤーピース 3サイズ 各1ペア (S/ M/ L)、レザーキャリングケース
音質
ダイナミック型の中ではケーブルの質もあってか、かなり情報量があるモデルです。別のケーブルに変えますと、よりスッキリするので、好みは別れそうです。
大袈裟にいうのであれば、音に情緒があります。喜び、怒り、悲しみ、楽しみそれをあるがまま伝えます。音の強弱が如実に感じられるので、そうおもうのかも知れません。
低域は締まりがあるというわけではなく、広がる低音です。優しい音です。
中低域を軸にしたチューニングで、高域に関しても過不足はなく、バランスがいいです。
XELENTO REMOTE 比較
AKT9iEの方が音場は上でした。
ただ、ベントがあるせいで遮音性はXELENTO REMOTEの方がいい気がします。
ただ全体的に音のクオリティと情報量はAKT9iEが上で、より上質で高級な音を求めるならAKT9iEです。
高域側のスッキリ感がXELENTOの方が好きですね。それでいてしっかり低域もがっつり出ている。
正直どっちもいい音なので、XELENTO REMOTEユーザーがわざわざ、13万近く出して買う必要は無いと思います。(本音)(中古だとかなり安いですし)
自分は正直者なので、XELENTO REMOTEの方をおすすめします。ただ、より解像度を求める方にはAKT9iEですかね。中古価格を考えると、XELENTOの方がいいと思います。お金に余裕がある人はAK T9iEでリケーブルを楽しむ方が最終的にはよさそうです。
リケーブル

SE846付属のケーブルとの相性がいいです。
情報量が少なくなる分聞きたい部分の芯が太くなるので、こっちのほうが爽快感があっていいです。
低域にも締まりがてで、見通しも良くなります。
欠点
- ベントポートがあり気圧の差のせいなのか耳にイヤホンを押し込むたびにペコペコと言った風に音がなる
- イヤピースが耳からイヤホンをとった時、高確率でひっくり返る
- 付属のケーブルが本当にイヤホンに合うように作られているかは疑問が残る。見た目重視では?もうすこしすっきりとしたチューニングにした方が万人受けすると思われる。
- イヤーフックの部分は小さい筐体ゆえに反発力があると取れやすくなるので、入らなかったと思う。
- 個人的には価格は適正かなとは思うが、ケーブルをもっと安い物にして価格を落とした方がいいのではと思う。
- 筐体が小さいため取り外しがしづらい。ケーブルを引っ張って抜く、もしくは筐体と耳の隙間に手を入れてとるわけですが、かなり密着しているためすこし取りづらいと感じました。(空気圧も関係)
まぁざっとこんな感じに不満点はありますが、まず第一にケーブルが人を選びそうです。
ケーブルが原因で外れやすいというのは個人的にはあまり感じませんが、このイヤホンのために作られたケーブルのようには思えなく、以前のAK T5Pでしたっけ。それの使い回しのような気がします。
実際上記のような欠点もしいて言えばの範疇であり、イヤホン全体の完成度は高いと思います。AK T8iEからの順当なアップグレードモデルだと思います。リケーブルすることで、AK T9iEの音をもう少し情報量を減らしてクリアにすればドライバーが同じなだけに、純粋にAK T8iEの音をクオリティアップさせたような音を実現できると思います。
デザインもAKらしく光のあたり方で陰影がつくようになり、とても美しい見た目になりました。
是非お買い求め下さい。
関連商品はこちらから⤵︎

Astell&Kern アステル&ケルン (Astell&Kern x beyerdynamicコラボモデル) テスラドライバー搭載 イヤホン AK T9iE

Astell&Kern AK-SP2000-SS A&ultima SP2000 Stainless Steel
中古相場
2020/1/27 11万2000円〜11万9000円
ギャラリー 画像
追記
IE800からの乗り換え
IE800の高域の刺さりが年々、長時間聴く時に煩わしいのと、リケーブル不可な点。ケーブルのタッチノイズがひどい点。ケーブルが固い点。耳掛けできない点。などを理由にダイナミック型を探しておりました。
ダイナミック型をひとつは持っておきたい理由はアニメを見る際に、各帯域がばらけず、まとまりのある音になることで、より自然にその世界に入り込めるからです。多ドラのBA型の高級機ですと、音楽を聴く際は楽しく聴けるのですが、こと映像作品だと、違和感を感じてしまうのです。
音質比較
スケッチスイッチ
IE800 AK380 55
非常にキラキラとした音で、低音の定位がよく、下に実在感のある音がします。かつ高域の伸びがよく、ボーカルも独立して聞こえます。
低域は締まりがあり広がりは広大なサウンドステージを持ちながら、少ないです。
ただ、高域の処理でやや不得手な点があるので、そこが刺さってしまうようです。
AKT9iE AK380 44
程よく高域が伸び刺さりを感じません。IE800の比べ分離感は無くなりますが、ひとつ音の中でもしっかり色分けされていて、聞き取ることができます。
どの帯域の主張が強いとか、そういうのを感じさせないバランスで聴き疲れが本当に少ないです。ケーブルのおかげか、音の滑らかさもIE800より上です。
バランス
基本的に2.5mmバランスはあまり好きではないのですが、これは流石に2.5mmAK機に合わせているようで、ひじょーにいいです!音の輪郭がくっきりになり、音がやや硬質になります。3.5mmの音はかなりウォーム系でしたので、そこをもう少しクール系にしたい時に使えそうです。
総評
IE800は縦方向の音作りで一聴で他のイヤホンとは違うコンサートホールのような音に対して、AKT9iEは平面的な音作りで決してどこかの帯域が前に出てこない慎ましさの心がある音がします。IE800の方が音量は取りづらかったです。
IE800の方がすっきりしている分、最初は音がよく聞こえますが、少し長く聴いていると、AKT9iEの情報量と音の粒の細かさ、丁寧さに驚嘆することでしょう。